自分の1日を50円で売る男
去年の暮れ、自分の1日を50円で売るホームレス芸人の小谷氏に会う機会が二度あった。
一度目は自伝を買うために鶯谷へ行った時。
ニ度目はFacebookで偶然見つけた小谷さんを50円で購入した方が開いたお話会に参加した時。
二度目に参加した理由はプレゼント用の自伝を購入するためだったが、残念ながらも売り切れ。
しかし、とても楽しく、刺激的だったその会のことを覚えてるだけ書いてみようと思う。
その筋では有名な小谷さんとのお話会ならさぞや人が集まるだろうと思った12月某日、開催場所のヤフーlodgeに行くと、参加者と思われる人は1人も見受けられず、さらには主催の方もいないという謎の孤独感を味わうことになる。
主催の方とメッセンジャーで連絡を取ったところ、小谷さんを迎えに行っているらしい。
聞けば、机は確保してあるのでそこで待っててほしいとのこと。教えられた1番クリスマスっぽいテーブルを探すと、ありました。1番クリスマスっぽいテーブル。
ヤフーlodgeはコワーキングスペースなので基本ビジネス寄りのことをする場所にも関わらず、そこのテーブルはまさにクリスマス。
写真を撮らなかったことが悔やまれます。
そこで待つこと、小一時間。
やーーーーーーーーっと2人が登場。
やっと、メンツが揃いました。
あ、そうです。参加者は小谷さん、主催者、自分の3人だけです。笑。
(ちなみに待っている間に、噂には聞いていたうんちマンさんと偶然会いお話させてもらい、会の途中では数日前に小谷さんを買われた?方がまたまた偶然居合わせ軽く挨拶)
さて、じゃあー、何を話しましょーか?と。笑。
何にも決まってない。
で、主催の方は小谷さんがどうして今みたいになったのか聞きたいからそれを話してほしいということになり、自伝を読んだ自分も本人の口から聞けるのが楽しみだったのですが、そこで小谷さんから驚きの一言が。
『なんやったけなー。。。。残間さんの方が本読んだばっかだからよく話せるんじゃないですか?』
え?
本人の前で、話すの??本人いるのに?
と、頭が混乱したまま、記憶が曖昧なとこは小谷さんに確認しながら話し始める。
なんでホームレスを始めたのか?
なんで50円なのか?
主催の方から出てくる質問に、本人を差し置いて答え、本人にちょこっと修正してもらう。
そこで出てきたワードをまとめると、
・お金に執着しない。
・楽しく生きる。
・楽しい方を選択する。
→お客さんから50円とは別に頂いたお金を持っていても仕方ないので、ホテルの良い部屋に泊まる。そのお金で数日切り崩して暮らしていくこともできるけど、面白くないから。と言うような感じで小谷さん。
お金を持ってても仕方ないって、衝撃でした。
だって、お金ですよ?お金!みんな大好きなお金!あったらあっただけ幸せになれそうなお金を持ってても仕方ないって……。
そのお金との接し方には次のワードが重要なのかなと。
・必要なお金は入ってくるという確信。
クラウドファウンディングを成功させ、日常では働かず50円で自分を売る日々を続けること約3年。その間に結婚し、結婚式を挙げ、イベントを立ち上げ、3キロ?も太ったという小谷さん。その言葉から連想したのは自由。お金や肩書き、地位や名誉、暮らす場所や手段それら全てを身につけていない自由。
守るもの安心のために身につけておきたいもの、あれやこれやと考えていつの間にか背負うものが重くなり、身動きが取れなくなりがちな人が多い中、この人はそれらを手放して、でも、すぐ近くに欲しいものはあるという状態に生きている。しかも、楽しいことしかしないで。
・好きなことをやってみる。
・借金は自分の器。
・自分の気持ちを大切にする。
もっともっと話したかったけれど、次の予定があると言う小谷さんを見送り、主催の方と2人になり、先ほどの挨拶した方がまだ残っていたのでその方の作業の邪魔を承知でその方のテーブルに移動。
そこでも凄く面白い話を聞かせてもらい、終いには、
主催の方に市議になれば?と極々自然に挨拶でもするかのように勧めていました。笑。
この後、lodgeも終了時間になり、この日はお開きとなりました。
思い出しながらここまで書いて、しみじみ、人というのは自分らしく楽しく生きるのが当たり前で自然な姿なんだなと思いました。